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レーシック

2015年04月25日

アナザーストーリーズ『ムーン・ウォーク』誕生の秘話その2


nelson.JPG
ネルソン・ヘイズ氏とマイケル



勝負の舞台は整った。


マイケルは自宅へ取って返すと、あるものを大慌てで探し始めた。その様子は兄のジャッキーを驚かせた。


―ジャッキー・ジャクソン
マイケルは帰ってくるなり、突然母さんのタンスに頭を突っ込んだ。なんだなんだと思ったら、「母さんのジャケットを探しているって言うんだ」、「あのキラキラしたジャケットはどこ?」「黒くてキラキラしたやつだよ!」って。

さんざん探し回ったあげく、お目当てのジャケットを見つけステージ衣装にしたんだよ(笑顔)



実はこのジャケット、いつか大舞台で使おうと心に決めていた特別なものだった。


いつの日か、舞台でこれを着るんだ
モータウン25でそれを着るなんて申し分ない(太文字)


本番までの間マイケルは地下室でひとり、自分だけの練習を続けた。


―ジャッキー・ジャクソン
ひたすらやってたよ。15秒から30秒くらいの動きをずっと練習していたんだ。おいおい何を始めるんだ?と思ったよ。だって本当に何をやるか知らなかったから…。



「モータウン25」に臨むマイケルの決意、それを肌で感じていた男がもう1人いる。


ネルソン・ヘイズ、マイケルの元運転手兼付き人(と紹介されている)として17年もの間、マイケルの身近に仕えた。


本番当日、ネルソンはマイケルに呼ばれ舞台そでに行った。


―ネルソン・ヘイズ(70歳)
大事な役目があるって、この帽子を(黒い帽子を手に持って)渡されたんだ。そんなことを頼まれたのは、あれが初めてだった。練習しておこうと言うから何だ?と思ったら、帽子を目印の位置に置く、それだけ。なのに4回もやったんだ。置いて拾って、置いて拾って…。それだけひたすらやらされたよ(笑顔)。



何もかもが、それまでのマイケルとは全く違う。
マイケルは「モータウン25」という大舞台で、全く新しい自分の姿を、世界にたたきつけようとしていた。


かくして「モータウン25」は開幕した。
ショーの中盤、まずはジャクソン5として出演した。兄たちとの出番を終えた後、マイケルはひとりネルソンの置いた帽子を手に取った。


そして、伝説のステージが始まった。
(ビリー・ジーンの映像)

Motown 25
Yesterday, Today, and Forever



―ネルソン・ヘイズ
マイケルのあんな動き、おれも初めて観たよ。


―ジャッキー・ジャクソン
髪をかき上げてあのジャケットをひらひらさせて、帽子を投げて。本当に素晴らしかった。衝撃的だったよ。


そしてあの2秒が訪れる。
客席は興奮のるつぼとなった。
デビューから20年、エンターテイメントの頂点に手をかけた瞬間だった。


―ネルソン・ヘイズ
ムーン・ウォークを見せたのはほんのちょっとだった。今見るとあれが?と思うだろ?だけどあんな動き誰も見たことがなかった。まさに歴史的瞬間ってやつさ。


―ジャッキー・ジャクソン
世界で最も人々にインパクトを与えたパフォーマンスだったと思うよ。あの瞬間から最高のすべてが始まったんだ。


マイケルが去った後も興奮は冷めやらない。


―スティーブン・アイボリー、マイケルを長年取材した音楽記者
マイケルが「ムーン・ウォーク」をやってステージを去っていった。みんなまだ誰か次に出るのは知っていたけど、正直もうどうでもよかった(笑)。「みんなあれ見た?あれ見た?」って大騒ぎさ。あっちこっちで客席から立ち上がり、「信じられない」って言ってたよ。そうしたら、場内アナウンスで「レディース・アンド・ジェントルマン、席におつき下さい、まだショーはあります」ってね。



その頃舞台裏では、

「マイケルの次が俺の出番だった。
なんてこったと思ったよ」

アダム・アント談


マイケルは大物たちを押しのけ、喝さいを独り占めした。
だが、その目はさらに先を見ていた。

マイケル・ジャクソン『ムーン・ウォーク』誕生の秘話その3へ続く



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2015年04月24日

アナザーストーリーズ『ムーン・ウォーク』誕生の秘話その1


mic.JPG



マイケル・ジャクソンが非常に繊細であったと同時に野心家で、賢い人であったのは知られています。このことをさらに裏付ける話が数日前に放送されていました。


『アナアー・ストーリーズ』



登場するのは、
ネルソン・ヘイズ氏、アシスタントマネージャー
ドン・ミッシャー氏、演出家
ジャッキー・ジャクソン(兄)
クーリー・ジャクソン氏、プロダンサー

スティーブン・アイボリー、音楽記者

生涯レコードセールス10億枚以上、亡くなった今も世界で愛されるマイケル・ジャクソン。だが彼は最初から世界一のスターだったわけではない。



もともとは兄弟5人の「ジャクソン5」のアイドルグループの一員だったマイケル。彼の運命が大きく変わったのは24歳の時…。あるステージがきっかけだった。



マイケルの運命の分岐点…
それは1983年3月25日、この日を境に彼はスーパー・スターへと駆け上がっていく。


ここであの『ムーン・ウォーク』を初めて披露した。
たった2秒間のムーン・ウォーク、それが彼を一人のアイドルからKINGへと押し上げた。


Story1


マイケルはなぜあの日、あの劇場でムーン・ウォークを披露したのか。そこには若きマイケルの野心があった。



あのステージを間近でみつめていた男が伝説のすべてを語った…。



―ジャッキー・ジャクソン
あれこそ世界で最もインパクトを与えたパフォーマンスだよ。あれはもう信じられないの一言だよ。世界中があいつの本当の力を知ったんだ。




マイケルが初めてムーン・ウォークを披露したあの日、舞台そでには誰よりもマイケルを知る男、ジャッキーがいた。マイケルの7歳上の兄、ジャクソン5のリーダーである。



(場所を移し)ロサンゼルス

伝説が生まれたのは、今から32年前…
舞台はロサンゼルスの劇場パサデナ・シビック・オーデトリアム。この日、この劇場でテレビ番組の収録が行われようとしていた。

『モータウン25』


1958年創業のレコード会社、「モータウン」の25周年を祝う特別番組である。アメリカの歌姫、ダイアナ・ロス、奇跡の天才、スティービー・ワンダー、ソウルの帝王、マーヴィン・ゲイ、再び集めることが不可能といわれた音楽会のレジェンド30組が勢ぞろい。


当時24歳のマイケルは、この顔触れの中ではまだまだひよっ子だった。


―ジャッキー・ジャクソン
すごいスターが揃っていたんだ。みんなぼくたちが子どもの頃アイドルだよ。


夜の9時から11時まで2時間、ヒット曲づくし。アメリカのテレビ史上、記録的な視聴率をたたき出すことになった「モータウン25」。


番組の総合演出を任されたのは、ドン・ミッシャー当時43歳、アメリカ1の大物ディレクターだった。


―ドン・ミッシャー(75歳)
(当時の劇場を訪れて)
あの日ほど盛り上がったことはない。みんな叫んだり、飛び上がったり凄かったよ。あの番組は全米の44%もの人が観たんだ。アメリカ娯楽番組史上、最高の視聴率をたたき出したんだ。



若い人も年寄りも、金持ちもそうでない人も、黒人も白人もみんな観た。空前絶後の大ヒット番組だったのさ。




この「モータウン25」で、ムーン・ウォークを初めて披露することになるマイケル。彼には心に秘めたひとつの思いがあった。



この頃、マイケルは兄たちと離れ、ソロで売り出そうとしていた。しかし、1年がかりでつくった初のソロアルバム「オフ・ザ・ウォール」(1978年8月発表)は、音楽会最大の名誉グラミー賞にはたった1部門しかノミネートされなかった。


まだ業界ではマイケルは“チャイルド・スター上がり”、という色眼鏡でしか見ていなかったのだ。
その悔しさを、マイケルは自伝「ムーン・ウォーク」の中でこう振り返っている。


「同業者に無視されたように思い、傷つきました。この経験で、僕の魂に火がつきました」


連中をあっと言わせてやる…


マイケルはひとつの秘策に打って出る。その秘策とは、「何の歌を歌うか」…。


―ドン・ミッシャー
いきなり新曲をやりたいって言いだしたんだよ。新曲じゃなきゃダメだ、絶対ダメだとね。



それが「ビリー・ジーン」さ(ジャッキー・ジャクソン)



「モータウン25」その出演条件は、モータウンの歴史を飾った過去のヒット曲、いわば懐メロを歌うことだった。ダイアナ・ロスにもマーヴィン・ゲイにも断固としてその条件をのませた。



だがマイケルだけがモータウンとは関係ない「ビリー・ジーン」(1983年3月発表のシングル)をやると言い張った。本番2日前、総合演出ドンを会場に呼び出した。



―ドン・ミッシャー
みんなには外に出てもらったよ。(客席を指さし)あそこに座り、隣にはプロデューサーが座った。あとはメインのカメラマンだけ、他には誰もいない。そこにマイケルが現れて、この歌をやりたいとテープをかけたんだ。そして、始めた。



「マイケルだけを特別扱いできない」…。
ドンは断るつもりだった。だがムーウォークをひと目見た時、考えは一変していた。



―ドン・ミッシャー
これは「魔法のような瞬間になる」、と思った。これはやらなきゃならないぞと確信したんだよ。




勝負の舞台は整った。

マイケル・ジャクソン『ムーン・ウォーク』誕生の秘話その2へ続く




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